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一銭もつかわず電子書籍をつくる 6 [電子書籍あれこれ]



 さて、本文の執筆/編集は済みましたでしょうか。済んだらあとは目次とカバーを付けて、変換サイトでepubに変換してもらい、はい、電子書籍の完成です。まずは目次の作成からまいりましょう。

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 いちばん簡単なのは、wordの目次作成機能を使う方法です。「見出し」のランクに合わせて自動的に目次を作ってくれる、というやつですね。ここらへんのことはwordのヘルプに詳細が出ていますので、それを参照してください。一般にwordで目次を作るとなるとこれです。

 とはいえ、それだと例の「自動作成」ですから、あんまり恰好よくはなりません。wordが勝手に機械的に(ていうかまんま機械なわけですが)作るだけなので、今いち本らしくならない。
 というわけで、せっかくの本なんだから目次だってかっこつけたい、そういう人にはこの方法がお勧めです。(カズノの『読書入門+』もこの方法で作っています。参照してもらえば分かると思いますが、ちゃんと「本の目次らしい目次」になってますでしょ? あれです)。
 どうやってこれを作るかというと、「目次機能」ではなく「ハイパーリンク機能」を使えばいいんですな。

 まず、フォントサイズやら行アケ・字サゲやらを駆使して「本の目次らしい目次」を組みます。本文を作るような調子でやればいいだけです。
 それから、目次の各項目から「ハイパーリンク」を設定していきます。ハイパーリンクとは単純にリンクのことで、どこらへんが「ハイパー」なのかはカズノにはよく分かりませんが、本文中の好きな箇所にリンクを張って、いつでもそこに飛べるようにする機能です。リンクは外部にも張れます。奥付に自社のHPに飛ぶリンクを張っておく、みたいな使い方ができますね(『読書入門+』の「この本への感想をください」ページに、メールフォームやTwitterへのリンクが張ってありますが、あれもこの機能を使いました)。

 目次としてハイパーリンクを使う場合、飛び先の見出しに「見出しスタイル」を設定しておくか、「ブックマーク」を設定しておく必要があります。ブックマークのほうが楽かも知れませんね。単純に、本文中の大見出しや小見出しを選択して、「挿入」→「ブックマーク」を追加するだけです。
 本文を執筆/編集している時に、各見出しに「見出しスタイル」を適用していたなら、この操作はいりません。ハイパーリンクの「リンク先」表示に、もう見出し行が表示されるようになっているはずです。

 手順としては、「目次の項目を選択して」→「ハイパーリンクを設定」→「ブックマークや見出しスタイルがついた行が表示される」→「適切な行を選択し、ハイパーリンクを設定」と、それだけです。

 ちなみに、電子化変換サイトや変換ソフトによっては、この目次とは別に「勝手に目次を作ろうとする」こともあります。その場合、目次が二箇所にできてしまいます。そういうサイトやソフトを使う場合は、もうその仕様に合わせて、こちらで目次を作るのはよしましょう。かっこわるいからです。
 ただ、Romancerでepub作成する場合には、上記の方法で上手くいきます。このサイトはきちんと「どうやって目次を作成しますか?」と聞いてきてくれるので、そこで「目次はもう自分で作ったから、そちらにお願いしません」と答えればOKです。具体的にいうと、変換用画面にある「目次ページ:自動生成する」という項目をチェックしなければいいだけです。

 ところで豆知識。なんで自動で目次を作成する機能が変換サイトなりソフトなりについているかというと、電子書籍というのは、目次ファイルを独立して作る必要があるからなんですね。
 本トビラがあってまえがきなりがあって目次があって本文に入る、一般的な書籍はそういうものだし、word上でこの本を作ったらデータファイルは1つになっていますが、電子の場合、この1つのファイル(すでに目次あり)とは別に目次ファイルを作らないとならない。
 電子書籍ビューアはよく、左端や別ページに「目次項目」が表示される仕様になっていますが、あれを表示させるのに「目次のみのファイル」が必要になるからです。
 なので変換サイトやソフトには、目次(ファイル)を生成する機能が備わってるわけです。本の中の目次と、目次のみのファイルとを、同時に作ってあげる(ていうかそのふたつが無いと電子書籍にならないので、もうこちらで作ってしまいますという)機能がある。
 そういうことを知らないまま、先に目次ありのword原稿を作ってしまうと、サイトによっては二重に目次が作成されてしまうわけです。それで「なんだこれ、おれこんな目次ページ作ってないぞ。おいおいこのサイト壊れてるのか? どうすりゃいいんだ?」と疑問符の嵐になってしまうので注意してください。

 狙いどおりの目次ページを作りたいなら、さっきのハイパーリンクとRomancerの組み合わせをお勧めします。この場合でもちゃんと、ビューアの目次機能に目次が表示されるようになります。Romancerさんの変換はよくできています。

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 さてそれで目次をふくめた電子書籍本体は完成です。あとはこれにカバーを付けるだけです。
 カバー用の画像は別ファイルで用意します。wordの冒頭に入れる必要はありません。というか、冒頭にカバー画像を入れてしまうと、カバー(表紙)ではなく本トビラになってしまいますので、カバーを入れてはいけません。「本文ファイルとカバー画像は別にしておく」、これ覚えておきましょう。

 カバー画像は何で作っても構いません。最終的にJPGかPNGで書き出せるものなら、IllustratorでもPhotoshopでも、それらに類するお絵描きソフト・写真レタッチソフトでも、InDesignみたいなレイアウトソフトでもOKです。ワープロで作って画像化しても問題ありません。excelやPowerPointでも大丈夫です。
 文字だけってのもなんだし、それっぽい写真かイラストがあったらいいのになー、というときは、ネットでフリー素材を探せばいいです。「写真 フリー 素材集」みたいな検索語でざくざく出てきます。使用条件に注意して使ってくださいね(ま、やぶってもそう簡単にはばれないとは思いますが)。

 さてお気に入りのカバーが出来あがったら、JPGかPNGにして保存します。その際の注意点はサイズ(解像度)です。
 電子書籍では「このくらいのサイズにしておいてください」という指標がいくつかあるのですが、そのうち最大のものは「長辺が2560pix」というものです。もっと大きいのもあるかも知れませんが、ともあれ、この『2560pix』というのを覚えてください。意味は分からなくていいです。長辺(たいていは天地だと思いますが)を『2560pix』にしておけば、たいていの電子書籍サイト、ストア、ユーザー環境で問題なく表示されます。
 電子書籍の活用の仕方によっては、配布サイトなり販売サイトなりから「今のカバーより小さめの画像も用意してください」と注文を付けられますが、なのでこの最大のものを1枚持っていれば、あとはいくらでも縮小版を作れるわけですね。
(念のため、画像ファイルは拡大はなるべくしないほうがいいです。ボケるからです)。

 ちなみに、電子書籍ではこのpix(px・ぴっくす)という単位が多用されます。ピクセル(pixel)の略ですが、この単位の困るところは相対的だということです。センチやインチみたいにちゃんとした長さが決まってるわけじゃない。長さが決まるのは解像度との関係でという、これを理解しようと思うとものすごく面倒なことになるので、近寄るのはよしましょう。(けどだから、電子書籍では画像のサイズが思い通りにいかないという、前回の話になるわけです)。

「カバーは長辺2560pixにする」といわれても、何をどうすればいいか分からない人も多いと思います。その場合、Photoshopがあるなら「画像解像度」で調整します。画像を開いて、「イメージ」→「画像解像度」→「縦横比を固定、画像の再サンプルをチェック」→「ピクセル数」「高さ」を「2560」「pixel」。これでOKです。
 他のレタッチソフトでも似たような機能はついているはずです。MS-OfficeにくっついてるPictureManagerでも同じことはできますが、これはちょっとやりづらいですかね。画像の解像度やサイズをいじれるソフトを探してみてください。

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 さてカバーの画像も出来たので、あとは電子に変換するだけです。「wordの使い方なんかぜんぜん知らなかったし、画像のこともまったく知らなかったおれにしたら、ここまでで十分「電子」化だ!」という方もいらっしゃるとは思いますが、ともかく電子書籍にいたします。
 あとはもう電子化変換を行っているサイトなりに出向いて、本文ファイルとカバー画像をアップして、ぽちっと「変換!」するだけで電子書籍になります。
 それぞれ使い方なり注意事項なりが異なっておりますので、そこらへん注意しながらやってみてください。
 くどいようですがお勧めはRomancerさんです。ここの変換はとてもよいし、サイトじたいも親切です。さすがに純国産の電子書籍を普及させようとしたボイジャーさんのサイト+技術+サービス。シャープのXMDFどうよう、この会社のドットブックは外国勢に負けてしまいましたが(今のとこ)、それでも「電子書籍」への情熱を捨てていないところは、ま、本人たちの経済的事情もあるとは思いますが、立派です。

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 といったところで、おおむね「一銭もつかわない電子書籍制作」については話せたと思いますが、読んでもらって分かると思いますけど要するに、

・wordをちゃんと使えれば誰だって電子書籍くらいはつくれる

 わけですね。もっとすごい事実を付け足してしまおう。

・一太郎にはすでに電子書籍化機能がついています

 そうなんです。なにもwordで作って変換サイトに行って…、などと面倒なことをするまでもなく、一太郎さえあれば誰だって電子書籍(epubとkindle)が出来ちゃうんですよね。
 つまりは、「wordや一太郎という、有名ワープロさえちゃんと使えれば、いつでもどこでも電子書籍が出来ちゃう環境になっている」んです。今って。

 ま、wordに関してはあれこれ注意してきたような問題もありますし、それは一太郎も変わらず、要はそれぞれ一長一短なとこはありますが、ほとんどそういう状況になっている。なので、あえて苦言を申し上げれば、
「ずーっとずーっとサボってきた、wordの=自分のシゴトの道具のことをちゃんと覚えるだけで、3万も5万もかかる電子化コストは抑えられる。いつかこのwordのことをちゃんと使えるようにならないとな、と思ってきた、それを実行するだけで、自社の出版物をどんどん電子書籍に出来る」わけです。


 お忙しいことは分かってます。編集職だけだってたいへんなのに、パソコン? ワープロ? word? なのいちいち覚えてらんないよ! だとは思います。
 けれど、ほんの一週間か十日か、それくらい集中するだけで、この程度のことは誰だって分かるようになるんですね。電子書籍にちょうどいいwordの使い方が誰だって分かるようになる。そしてそれは、印刷にちょうどいいwordの使い方でもあるんです。

 もっともシンプルに原稿指定をするようにwordを使えば、おのずと印刷屋のオペレータにも扱いやすいデータになるし、指定の意図が分かるものになります。
 ごてごてwordで作り込みすぎず、wordに独特の「自動化」機能も使わず、「文字、その連なりである文を、自分はどうしたいか」だけで原稿データを作ってもらえば、製作オペレータにとって、これほど楽な仕事はありません。それは、紙も電子も同じです。
 言い換えれば、製作サイドに負担をかける分、みなさんは余計なコストを書籍製作にかけているということです。紙用・電子用に入れる原稿整理に1万かかるとして、月に3冊頼むなら、年間で36万が「ムダに」消えている。

「ワープロさえちゃんと使えれば、誰だって電子書籍は作れるし、それがプロの編集者ならもっとだ」という、今現在の環境とは、実はこういうことが白日の下にさらされてしまう状況なんだったりします。
 つまり「編集者のくせにワープロの使い方も知らない。自分の仕事の道具のことをまったく分かってない」。


 ながらくボーナスをあげられなかった従業員さんに、どうかその36万を使ってあげてください。ご家族で出版社をやっているなら、子どもに何か買ってあげてほしいと思います。
 そういうつもりで書きました。




タグ:電子書籍
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